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1979年8月 ロンドンにやってきた 7

焦りまくった私は、そのお姉さんに彼がPASSPORTを持って行ってしまったことを伝えるとあわてて後を追ってくれた。

数分後、お姉さんはその係員を連れて戻ってきた。
彼にPASSPORTのありかを聞くと、彼は私にも分かる身振りで、そんなモノ持っていないといったジェスチャーをした。
私は必死になって、そのお姉さんに先ほど彼にPASSPORTを渡したことを伝えると、もう一度確かめてくれと言ってくれたようで、彼はポケットの中から何冊かのPASSPORTを出した。
まるで、ほら無いだろうとでも言ったような動作だったのだが、私は丹念に調べてその中にはさんであった自分のPASSPORTを見つけた。
私は彼にPASSPORTにある自分の写真を見せると、彼は別に謝るふうでもなく、さっさと歩いていってしまった。
今、あの時のことを思い返すと、その時は余り気にも留めてなかったのだが、危なかったのかもしれない。
お姉さんは他の係員にロンドン行きの人たちがいる待合室の場所を聞いてくれた。
私は彼女に丁寧にお礼を言って、通路を言われた通りに歩いていくと、ここまで日本からの飛行機に乗り合わせていた、見覚えある人たちが座っている待合室にたどり着いた。
続く




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